浴衣の語源は、平安時代に貴族が蒸し風呂に入る際、水蒸気で火傷をするのを防ぐために着た「湯帷子」(ゆかたびら)だとされています。
湯帷子はその後、風呂上がりに水分を吸収させるバスローブのような物となり、江戸時代に庶民の間でも「風呂屋」に行く習慣が生まれると、風呂屋で着る簡易な服として普及するようになったと言われています。
「浴衣は外出着ではない」と言う人も時々いますが、その意見の根拠は、このような湯上がり着だった歴史にあります。
しかし、現在で言う浴衣は、当時の物とはだいぶ異なっています。
昭和の中期から着物文化が一時衰退した後、1990年代から「気軽に着られる着物」として新しいタイプの浴衣が作られるようになり、若者の間で流行した結果、生まれたのが現在の浴衣文化だと考えられます。
従来型の浴衣は、たとえば日本の旅館で用意されている部屋着や寝間着に引き継がれていて、おしゃれ着としての浴衣とは全く別の物であることが一目でわかります。