紙布(しふ)

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紙布とは、紙を糸のようにして織った織物です。
経糸と緯糸の両方に紙を使った物は「諸紙布」(もろしふ)、どちらかに絹糸を使った物を「絹紙布」、どちらかに木綿糸を使った物を「綿紙布」と呼びます。
紙を一度糸にしているため、紙そのものから感じられるような堅さはなく、軽くて丈夫です。

紙布が作られるようになったのは江戸時代からで、元々は要らなくなった紙を使って作られていました。
その後、改良されていく中で、専用の紙が作られるようになったそうです。

有名な産地として、宮城県の白石市があります。
元々この地方では和紙の生産が盛んだった一方、木綿や絹は貴重品だったためではないかと言われています。
江戸時代にこの地方を治めていた伊達藩主が紙布の生産を奨励し、献上品として使うようになったことで有名になりました。

現在は、生産者が少なくなって高価な貴重品になりましたが、人気のある素材として流通しています。
反物としてもわずかながら生産されていますが、帯にすると軽くて締めやすいため、帯地として使われることが多いようです。

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