呉服の語源

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着物のことを「和服」または「呉服」と呼ぶことがあります。
和服の「和」は日本のことなのでわかりやすいのですが、呉服の「呉」とは何でしょう?

飛鳥時代に、それまで日本にはなかった形の衣服が中国から伝わりましたが、この頃、中国では漢民族が支配者階級を占めており、この漢民族が着ていた袖口が大きく裾の長い服を「漢服」と呼んでいました。
一方、漢民族は異民族を「胡」と呼んでいましたが、胡の人々が着ていた細身で動きやすい服を「胡服」(こふく)と呼んでいました。
この「胡服」が、現在、着物を指す「呉服」の語源になったという説が一つあります。

一方で、3世紀頃に現在の中国にあった呉の国から伝わった絹織物を「呉服」と書いて「くれはとり」と呼んでおり、これが後に「ごふく」と読まれるようになったという説があります。
こちらの説では、呉服とは本来「反物」を指す言葉で、「着物」ではないとされます。

いずれにしても、「呉」は昔の中国を指すようです。
なお、「和服」は「洋服」に対応して作られた言葉であり、呉服の方が以前からあった言葉なので、「呉服屋」とは言っても「和服屋」とは言わないようです。

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