角出し

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現在、角出しと言えば紬や小紋に合わせるカジュアルな名古屋帯の結び方を指し、粋な結び方として人気があります。

実は、角出しは、現在主流のお太鼓結びよりも古くからあった結び方です。
ただ、昔の角出しは現在の物とは少し結び方が違っていました。
共通するのは、お太鼓に相当する部分の両端から帯の先が出る形であることで、出ている部分を「角」と表現して「角出し」と呼んでいます。

現在は帯締めと帯揚げを使って角出しを作りますが、昔は帯を完全には結びきらず、たれの先を帯の下に残したまま、中途半端に引き抜いて輪になった状態の帯を下げていました。
この結び方なら、帯締めも帯枕も必要ありませんが、現在の名古屋帯では短すぎ、袋帯では長すぎます。
お太鼓結び用に名古屋帯と袋帯が普及すると、これらの帯でできるように角出しも変化しました。
その結果、昔の角出しに適した長さの帯は廃れてしまったようです。

角出しに似た帯結びで銀座結びという結び方もありますが、「名古屋帯の角出し」と「銀座結び」の違いは明確ではなく、人によって意見が異なっているのが現状です。

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