袂とは、着物の袖の下にある袋状の部分のことです。
袖の一部のことなので、袂というパーツがあるわけではありません。
袂は袋状になっているため物を入れることもできますが、女性用の着物は振り(袖の体側に当たる部分)が開いていて入れた物が落ちやすく、ポケットとして使うのはあまり実用的ではありません。
ハンカチやポケットティッシュくらいに収めるのが良いと思います。
男性用の着物には振りがなく、袖の内側が塞がっているため、財布などを入れる人もいます。
着物を着ている時に襦袢が振りから出てしまうことがありますが、それを防ぐには、襦袢の袖を内側から袂に安全ピンで留めると良いです。
人間関係を断つという意味の慣用句に「袂を分かつ」という表現がありますが、なぜそういう意味になるのか、様々な説はあるもののはっきりしたことはわかりません。
「袂を連ねる」という慣用句もあり、こちらは同志として同じ行動をとる、進退を共にすることを言います。