螺鈿(らでん)

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螺鈿とは、貝殻を板状に加工して貼り付ける装飾技法で、貝殻の内側にある独特の光沢を利用した物です。
通常は木工細工のように表面が平坦で硬い物に貼り付けますが、30年くらい前に帯に折り込む方法が編み出され、螺鈿帯というジャンルが生まれました。

貝は硬いので、帯に貼り付けてしまうとその部分が曲がらなくなり、実際に使うとすぐに割れたり剥がれたりしてしまいます。
そこで、出来上がりの柄の通りに薄い紙の上に貼り付け、これを糸のように細く裁断してから織り込むという方法が考案されました。
これによって、本来の螺鈿細工と同様の光沢と、糸だけで織り上げた帯と同様の柔軟性の両方が得られます。

この技法は、より昔から存在した「引箔」という技法にヒントを得て編み出されたそうです。
引箔は、これとほとんど同じ技法ですが、貝殻ではなく金箔、銀箔を使います。

このほかに、螺鈿に特殊な加工をして柔らかくし、貼り付けてコーティングした物もあります。
こちらの方が作るのが簡単で安価ですが、古い物の中には加工が不十分な物があり、壊れてしまうこともあるので注意が必要です。

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