小千谷縮は、新潟県小千谷市周辺で作られている縮織りの麻織物です。
この地方では平織りの麻織物である越後上布も作られており、どちらも1955年に日本の重要無形文化財に指定され、2009年にはユネスコの無形文化遺産に登録されました。
1600年代の中頃、明石から小千谷に移り住んだ浪人の堀次郎将俊という人物が、この地方に以前から伝わっていた白無地の麻布(現在で言う越後上布)を、明石地方で作られていた明石縮という絹織物の技法で縮ませたのが始まりとされています。
無形文化財の指定要件として伝統的手法による生産があり、この製法で作られた物は「本製小千谷縮」と呼ばれます。
本製小千谷縮の工程の中で特徴的なのが、雪の上に反物を広げて日光に当てる「雪晒し」です。
この時、雪と紫外線が反応して漂白効果があるオゾンが発生し、反物がきれいになると言われています。
本製小千谷縮は糸作りから仕上げまですべて手作業で行うため量産できません。
一般的に安価に出回っている物は、小千谷縮に似せて機械で織った物です。