だらりの帯とは、舞妓の帯結びのやり方として知られている結び方で、帯の垂れが2枚、結び目から下がっている形になります。
古い歌の歌詞に出てくるため有名ですが、通常の場面で結ぶことはほとんどありません。
その理由の一つとして、帯を長く垂らすために通常の帯では長さが足りないということが挙げられます。
特に、舞妓の帯は裏表が同じ柄の丸帯で、長さは5~6メートルにもなるため非常に重く、一人では結べません。
通常は力のある男性の着付師が結びます。
一方、丸帯ではなく裏が黒い昼夜帯を使うだらり結びもあります。
こちらは、江戸時代に大流行した歌舞伎の演目「八百屋お七」の主人公であるお七役の帯であることから「お七結び」とも呼ばれ、江戸時代の庶民の帯結びとして一般的だったようです。
現在では、だらり結びの雰囲気を袋帯で再現した「だらり文庫」という結び方も考案されています。
垂れの長さはずっと短くなりますが、その分、動きやすく実用的だという利点があります。