着物や帯には「四君子柄」という物があり、おめでたい柄として喜ばれます。
この四君子柄とは、蘭、竹、菊、梅の4種類の植物を組み合わせた柄を指します。
これらはもともと中国で尊ばれた植物で、気品の高い美しさが君子(人格に優れ、学識が高い人)のようであるとされ、これら四つを並べて四君子と呼んでいます。
また、蘭は春、竹は夏、菊は秋、梅は冬を象徴します。
着物の世界だけではなく、絵画の世界でもこれらを1セットとして描くことは多くあり、特に水墨画では基本的な練習用の題材としても使われている組み合わせです。
蘭、竹、菊、梅は、単独でもよく着物の柄に使われますが、この場合は、それぞれの季節に合った時期に着るのが原則です。
ところが、4種類が同時に描かれていると、通年着ることができる柄になります。
同じような考え方で、桜と菊、蝶と紅葉のように、あえて季節が違う物を組み合わせて描き、通年着用できるようにした柄もあります。