5月は「帯つき」の季節とも言われます。
帯つきとは、羽織り物を着ないで、帯を見せていることを指します。
最近は3月、4月でも上着が要らない日が多いのですが、以前は、5月くらいまでは何かしら羽織るのが習慣だったそうです。
もちろん、5月に何かを羽織っても構いませんし、特に高価な帯を締めている場合、移動中に汚れることを防ぐために「ちりよけ」というごく薄いコートを着ることが多いようです。
屋内に入るときには、帯つきの季節らしく上着は脱いだ方がよいでしょうから、部屋の中でも脱がない習慣がある羽織は避けた方がよいと思います。
また、年によっては、5月に汗ばむ陽気になることもあります。
あまりに暑い日には、一足先に単衣を着ても構いません。
最近では、5月下旬にはほとんどの人が単衣になっているようです。
5月くらいからは、夏を意識した絵柄も多く使われます。
花菖蒲やアヤメなどが人気ですが、少し早いと思われる燕や紫陽花も、この頃から使われ始めます。
色も、涼しげな物が好まれるようになる頃です。