芭蕉布(ばしょうふ)

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芭蕉布とは、沖縄に伝わる植物から作られた布のことです。
原料は糸芭蕉という草で、分類上はバナナと同じバショウ科に属します。
13世紀頃には織られていたとされる非常に歴史の長い織物で、沖縄では日常着として広く使われていました。各家庭に糸芭蕉の畑があったとも伝えられています。

しかし、第二次世界大戦後、戦中戦後の混乱や時代の変化などによって、芭蕉布の歴史は途絶えかけてしまいます。
その中で、芭蕉布を沖縄の特産品として蘇らせようとする人々の努力により、沖縄以外の地域にも徐々に知られるようになり、現在では「稀少な夏着物」として高額で取引されています。
素材となる糸芭蕉の減少、職人の後継者難などの問題により生産量はまだ多くありませんが、伝統工芸品として見直されたことで、後世に残すための活動が進んでいます。

芭蕉布の特徴は、暑い沖縄で重宝されていたことでもわかるとおり、さらりとした肌触りと通気性の良さです。
草木染めによる先染めが基本ですが、沖縄らしい紅型染めが施された物もあります。

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