胴裏は着物の裏地の一種で、体に近い部分に使います。
胴裏の周りに八掛が付くイメージです。
表から見える八掛に対して、胴裏は見えないので、見た目ではなく機能性が重視されます。
一般的には、柔らかく滑りが良い絹の羽二重という生地が使われますが、ポリエステルの着物にはポリエステルの胴裏を使わないと、せっかくの「水洗いができる」という特徴を生かせません。
また、紬や気軽な小紋などでは、安価で丈夫な木綿の胴裏が使われることもあります。
色は白が基本ですが、「見えないお洒落」と称して、色や柄の付いた胴裏を使うこともあります。
古い着物では、胴裏がまだらに変色していることがあります。
これは胴裏に使われている昔の糊が変色したもので、元には戻りません。
現在では糊の品質が良くなったため、新しい胴裏でこの現象が出ることはほとんどありません。ご安心ください。
カビと違ってすぐに広がることはありませんが、変色するような糊に表地を密着させて保管するのは、やはり心配です。
大事な着物の場合は、胴裏だけ交換してもらうことをお勧めします。