有職文様とは、平安時代の貴族(公家)が使っていた文様の総称です。
伝統的で格式の高い文様として、着物や帯の柄に広く使われています。
幾何学模様が整然と繰り返されるような柄が多く、季節感がないため一年中使えるのも便利な点です。
元々は中国から伝わった文様を日本風にアレンジした物で、バリエーションも豊富です。
種類が多すぎて具体的にどの柄が有識文様かを示すことは困難ですが、代表的な物をいくつか上げます。
【立涌(たてわく)】
波線が並んで、膨らんだ部分とくびれた部分が交互に続いている文様。
「立涌に花」と言えば、立涌の膨らんだ部分に花が描かれている柄になります。
【亀甲】
六角形が整然と並んでいる文様。
六角形の中に、さらに別の文様が描かれていることもあります。
【七宝】
同じ大きさの円を円周の1/4ずつ重ねて並べた文様。
【八つ藤の丸】
十文字型の花の文様を、藤の花の文様で丸く囲んだ物。
2つ1組の藤を4組使って囲むので、合計8つの藤の花で丸ができることから「八つ藤の丸」と呼ばれます。