悉皆とは「ことごとくみんな」という意味ですが、着物の世界では「着物に関するあらゆることを引き受けてくれる業者」という意味になります。悉皆屋、悉皆業と言うこともあります。
では呉服店とは何が違うのかという疑問が湧きますが、呉服店は着物を売る店で、悉皆は着物の手入れや加工をする店になります。
たとえば、着物を洗うのは悉皆であって、呉服店ではありません。
しかし現在では、いきなり悉皆を探し出すことは難しいので、まず、見つけやすい呉服店に相談して、悉皆を紹介してもらうことが多くなっています。
また、別の業種とはいえ、自ら悉皆業を兼ねている呉服店も少なくありません。
悉皆の仕事はさまざまですが、一般の人が依頼する内容としては、丸洗い、しみ抜き、かけはぎなどでしょう。
もう少し大がかりな作業としては、寸法直し、染め替え、紋入れなども行っています。
着物を頻繁に着るようになったら、気軽に頼める悉皆を見つけておくと、いざというときに力になってくれます。