着物を仕立てる時には、サイズを尺、寸という単位で表す習慣があります。
これは、日本で昔から使われている尺貫法という単位の表し方です。
ただし、日本でも正式な単位の表し方はメートル法ということになっているので、センチメートル単位で測り、業者や職人が換算するというやり方が多いようです。
実は、尺や寸には二つの体系があり、着物を仕立てる時には「鯨尺」という体系を使います。
一般的に、1寸=3センチ、1尺=30センチと言われていますが、こちらは「曲尺(かねじゃく)」という体系で、建築などで使われている単位です。
鯨尺では、1寸=約3.8センチ、1尺=約38センチになります。
着物はメートル法が導入される前から存在していた物なので、反物の大きさや寸法の割り出し方法などはすべて尺貫法を前提に決められています。
尺貫法とメートル法を対応付けようとしても割り切れず端数が出るため、現在でも着物を扱う現場では鯨尺が使われており、時々、尺貫法表示で着物などが売られているところも見かけます。