子供の着物も、基本的には大人の着物と同じ形です。
ただし、大人の着物と同じ作り方をすると無駄な布がたくさん出てしまうので、裁断の仕方を工夫しています。
この裁断方法の違いによって「一つ身」「四つ身」という子供用の特別な着物ができます。
これに対して大人用の着物を「本裁ち」と言います。
子供は成長が速いので、一つ身や四つ身でも大きめに作り、肩の部分と腰の部分で縫い縮めて着ます。
この縫い縮める部分や縫い縮めることを「肩揚げ」「腰揚げ」と言います。
着物が小さくなるたびに肩揚げと腰揚げを少しずつ出して行くと、仕立て直さなくてもちょうどよいサイズで着ることができます。
一般的には、3歳くらいまでは一つ身、3歳から10歳くらいまでは四つ身、10歳くらいからは肩揚げと腰揚げをした本裁ちを着て、13歳以降は肩揚げと腰揚げもなくします。
最近の七五三で3歳の子が着物の上に着ている物を被布(ひふ)と言いますが、要するにコートのことです。
必ず着なくてはいけない物ではありませんが、被布で帯部分を隠すことで重い帯が不要になり、子供への負担が軽くなるため、現在では被布を着る方が主流になっています。